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村上世彰さん     4/5ページ     2021.06.01 UP

さそり座の影響力とは、外部にあるものと一体化することです。さそり座はエレメントでは「水」になりますが、この水は接着剤のような役割を果たすため、このサインは、人やモノといった外界の何かとつながることがテーマになります。
第1グループは、そのサインの性質を考えなしに大放出する段階ですので、さそり座はのべつ幕無しに他者やモノと一体化してきました。しかしこの5度で、いくら身を挺しても壊れない岩にぶち当たります。それは他者自身の考えや現実といった、自分ではコントロールできない領域の存在です。
この岩は、さそり座にとってとても大きな問題です。外界の何かとつながることがテーマであるさそり座からすれば、この岩を壊すなり飛び越えるなりして、何としてでもその先にある世界へ到達しなくては死んでしまうからです。そこでさそり座は戦略を変え、仕切り直しを図るのです。
村上さんがシンガポールへ移ったり、それまでしてこなかったボランティア活動への参加は、このさそり座5度の姿そのもののように見えるのです。

私は、村上さんのネイタルチャートの読み解き結果で「一度目標を決めたらば、それを達成するためなら多少の失敗や困難なんて、障害だとは思わないでしょう」と書きましたが、そうした不屈の精神が良く表れているサビアンシンボルと言えるのではないでしょうか。


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こうして形や手法を変えながら、人との関わりを大切にしてきた村上さんは、2016年に一般財団法人「村上財団」を設立。その代表理事に、長女の村上絢さんを就任させます。
これは、日本が抱える様々な問題に個人としてではなく家族が主体となって取り組むことにしたという意志表明であるわけですが、こうした自身の力を近親者に相続させるところは、火星がいるおとめ座14度のサビアンシンボルが示しています。

そのタイトルはズバリ「家系図」。家系図には先祖にどんな人がいて、どういう家族構成だったかが細かく記されています。そしてそれはただの記録という意味だけでなく、持っていた力や影響力がどんなふうに後世に受け継がれているかも記す継承図でもあります。そうやって紙といった物理的なものに自分たちの力を書き表すことや、近親者に持っている力や富を相続させることは、おとめ座にとって大変重要な行為になります。

おとめ座14度は、5度ごとのグループ別では第3グループに属します。第1グループでは自身の力を無邪気に放出し、続く第2グループではその力を自身の内側に向けることで、成長を図ってきました。そしてこの第3グループでは、パワーアップした自分の力を周囲に見せつけ、認めさせようとするのです。その認めさせる手段として、家系図を作成したのです。
家系図がある家というのは、多くが先祖に偉大な人物がいる場合になるでしょう。本人は何もしていなくても、「偉業を成し得た人物の子孫」というだけで特殊な存在になります。それはまぎれもなく、祖先の影響力が及んだ結果です。この認識こそが、おとめ座がこの14度で欲しかったものなのです。

一方この家系図は、個人が持つ力や富を独占的に継承させている集団、と見ることもできます。おとめ座も、かに座ややぎ座と同じように集団性のあるサインなのです。
かに座は心理的なつながりの集団、やぎ座は意思が介入した集団でした。ではおとめ座は?と言うと、機能的なつながりの集団になります。
おとめ座は余計なものを一切排除します。無駄のない、個々の機能が有効に動き、それが全体に生きるような組織の構築を目指します。自分の前に書かれた先祖の名前の偉大さに圧倒されるものの、子孫は子孫で自分の役割を果たさなくてはならない。そこにかに座のような同情心は少なく、またやぎ座のような権威性も存在はしないのです。

村上さんの長女絢さんは、お父様の力や影響を受けて今の役職に就いたわけですが、そこに甘んじることはなく、ご自身は自分の仕事をしっかりはっきりと掲げ、全力で取り組むことでしょう。そしてその活動を、父親であり財団の創立者でもある村上さんが全面的に応援する。おそらくふたりのあいだに過度のなれ合いはなく、互いがそれぞれの目標に向かって取り組み、最終的には財団全体を活性化させるという、好循環の関係が出来ているのではないでしょうか。


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そもそも、村上さんはなぜボランティア活動に傾倒するようになったのでしょう。
あるインタビュー記事のなかで、村上さんはその理由を「助けないといけない人たちがいる」と語っています。「社会貢献活動の2大課題が、マネジメント力と資金力。このうち資金力についてだったら、自分は何かできるかもしれない」と。

村上さんを始め莫大な財産を手に入れた人の多くは、ボランティア活動へ本格的に参加しています。マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏、投資家のウォーレン・バフェット氏など。彼らは、地球上でいま困っている人たちを助けることに価値を見出しているのです。たっぷりあるお金を贅沢や豪遊に使っても、後には何も残らないことを知っているのです。
財団を設立し、慈善活動に取り組める人は限定的になりますが、村上さんがそれまでの社会では受け入れてもらえなかったストレスを、そうした援助活動を通じて癒そうとする姿は、木星がいるさそり座23度のサビアンシンボルから伺うことができます。

23度は6つあるグループのうち、後ろから2番目の第5グループに属します。このグループは15度で対向するサインの性質が入り込み、それが自身の性質と混ざり合うことで最強となった自分の力を、実生活のなかで発揮しようとする段階です。
さそり座23度のサビアンシンボルは「妖精に変容するウサギ」というタイトルですが、15度より前の自分をウサギに例え、16度以降を妖精という不思議な力を持った、別次元の生き物で表現しています。妖精はウサギよりも高尚な生物となり、そのレベルになると生々しい事案を敬遠するようになり、もっと有意義で文化的な事案に興味を持ち始めるのです。
妖精は実生活のなかで、自身が獲得した力を発揮しようとします。それが村上さんの場合、金融にまつわる知識を社会貢献に活かせないか、というものになります。


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