★村山聖さんのネイタルチャートの読み解き結果は、こちらをご覧ください。
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生と死がリアルに行き交う病院のなかで強い心を持とうと奮闘する村山さんはある日、父親から将棋セットをプレゼントされます。この出会いが、彼の人生を決定づけたのでした。
起きてから寝るまで、ずっと将棋を指し続けます。弱った体に障るからと止められても、その手を振り切って駒を持ち続けます。やがて彼は、こうつぶやくようになります。「名人になりたい」と。
名人位は、将棋界における頂点です。なるためには奨励会に入り昇級や昇段を重ね、そのときの名人に勝たなくてはなりません。とても厳しく、また長い時間を要する道のりです。
しかし村山さんは来る日も来る日も将棋盤に向き合い、ついに名人戦が射程圏内に入るところまで登り詰めたのでした。
どの分野であれ成功するには、寝食を忘れるほど没頭して取り組まなくてはならない時期があると思います。
挑んだ試合に負ければその敗因を探り、打ち手を変えたりして再び挑戦する。その繰り返しです。しかし村山さんには、そうやって自分のやり方を変えながらレベルを上げられる向上心や根気強さが備わっているでしょう。
冥王星が位置するおとめ座23度のサビアンシンボルは「動物のトレーナー」です。
トレーナーは、人間よりもより衝動的に生きる動物たちのクセやパターンを見極めながら彼らの動きを矯正することで、芸ができるようにしたり、噛みグセや鳴きグセを直すことができます。
この度数を持つ人は、そうやって相手の特徴をつかんだ上で、その奥に眠っている資質を引き出し輝かせる能力に長けているとされます。
おとめ座は、課された目的のためなら調整や改造を進んで行う星座です。ミッション遂行を妨げる要因であるなら、たとえ先天的に持っていて本人のアイデンティティに関わる性質であっても、変えることを厭(いと)いません。
そうやって目的達成に不要な部分をひとつづつ潰していき、やがてゴールに辿り着くのです。
村山さんにはこの「動物のトレーナー」のように、対象物が持っている才能を引き出す能力がありそうです。その対象物は最初は自分でしたが、彼が弟子を取るまで長生きしていたら、きっとその弟子もかなりのポジションまで上がっていったはずです。
育てるのが相当上手い師匠になっていたことでしょう。
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村山さんのMCは、かに座にあります。かに座は感情的なつながりを重視するので、家族や恋人といった身近な人たちを大事にする傾向があります。またMCは、社会的なポジションを表すとされています。このことから、村山さんに適した職業は、保育士や介護関係といった、人を育てたり世話をする仕事が向くと見られます。
ほかにもおとめ座がオーバーロードだったり、第12ハウスが強調されている星回りなので、社会貢献とか奉仕活動にとても関心が向くのではないでしょうか。
慈善事業やボランティアなど、他人を助けることはとても意義ある行為ですが、その行為に報酬が発生するしないに関わらず、ひとつ肝に銘じておかなくてはいけないことがあります。
それが何かを、村山さんの星は教えてくれています。
村山さんの金星はサビアン占星術で見ると、おうし座の9度にいます。この位置のサビアンシンボルは「飾られたクリスマスツリー」です。
クリスマスツリーを飾れるというのは、実はとても裕福で平穏な家庭と言えます。金銭的にそんな余裕がなかったり、家族間の関係が上手くいっていなかったら、とてもそんな余裕はありません。おうし座がここでクリスマスツリーを飾って見ていられるということは、それまでのあいだに準備なり対応をちゃんとしてきたからです。
おうし座にとって準備をすることは、得意中の得意。地盤を築くことを何よりも優先しているおうし座にとって、そのキーワードにつながる下積み行為は、切っても切れない活動になります。
おうし座8度でちゃんと準備をしたおうし座は次のこの9度で、その恩恵に預かっています。しかし準備をしていなかった人は、寒い冬の夜、震えながらクリスマスツリーが飾られている様子を眺めるしかありません。
家のなかから、その姿は見えています。身を縮めながら羨ましそうに覗く彼らに、しかしおうし座は誘いの声をかけることはしません。自分と家族だけで、暖かい家のなかでクリスマスの夜を楽しみます。
ちょっと冷たいんじゃないか。そう思うのですが、あえてここで自分たちを優先することが、これから先のことを考えると非常に重要になって来るのです。
おうし座も人助けはします。ただそれが、このあとの10度からなのです。人を助ける前にまずは自分の安全や安定を確保する。身体性と安定を育てるというおうし座のテーマからすれば、この優先順位のつけ方は至極当然のことなのです。
募金や寄付などをしたほうがいいことは分かりますが、それは自分の生活基盤が整って余裕ができてからでいいのです。自分の生活がままならないのに他人に奉仕しても、心がすり減るだけ。
黄道12星座の前半6サインは、個人を育成するゾーン。しかもおうし座は、そのゾーンのうち前から2番目に位置するサインのため、なおのこと他者へ気配りする段階ではありません。
まずは自分をしっかり整えてから。そのあとで、周りに奉仕する。この重要性を、おうし座9度のサビアンシンボルは教えてくれているように思います。
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村山さんの星たちは、第2グループと第6グループに多く集まっています。
第2グループは、混じりっ気なしの純粋なそのサインの性質を育むゾーン。第6グループは、酸いも甘いも経験したサインがスリム化し次のサインへ移る準備を始めます。
どちらも、向き合う相手は自分です。
対して星がひとつもないのは、第3グループと第4グループです。
特に第4グループは対向するサインの性質がいきなり飛び込んで来て、その「異物」と格闘することに重点が置かれます。
ここで向き合う相手は異物、つまり他者です。
村山さんのネイタルチャートを読み解いたとき、「葛藤の多い人生になるだろう」と書きましたが、そうやって向き合う相手が他者ではなく常に自分であるということが、彼のサビアンシンボルにも見て取ることができます。
また、村山さんのことを調べていてわかったのが、彼は生前、海外の恵まれない子供たちのために、毎月寄付をしていたそうです。「自分は病気で、満足に勉強ができなかった。しかし彼らは元気でも貧しくて亡くなっていく。子供たちにも平等に学ぶ人生を与えたい」と。
これは村山さんの精神に、「クリケットゲーム」と「飾られたクリスマスツリー」が色濃く刻まれている証なのではないかと思いました。
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